ありあけ・いさはや
海の宝のメカニズム

日本自然保護協会
2003.02


コミュニケーションにギャップが起きているところが、私達の仕事場なの。

ミュージックビデオ界の大御所、音楽アートディレクターの信藤三雄さんが演出、音楽を小林武史さんが担当したコラボ作品。現代的なセンスの音楽や映像をバックに、諫早湾干拓と有明海の環境悪化を科学的に説明しつつも、ミュージッククリップのような親しみやすい内容のビデオです。日本自然保護協会、有明海漁民市民・ネットワーク、諫早干潟緊急救済東京事務所、サステナが中心となり、制作しました。


D : 信藤三雄
M : 小林武史
V : Salyu
N : もりばやしみほ
撮影 : 岩魚が勝敏
ST・CW : マエキタミヤコ
PD : 湯川篤殿
  (ピクチャーズ)
   乾弘明(花組)
グッズ


 
ストラテジー
「ありあけ・いさはや」の問題は、日本最大のコミュニケーションギャップ。諫早湾締め切って作った干拓地って、ほんとに必要だったのかな?ただ工事がしたくて、作ったとしたら、できたあとは用済み。目的と手段が逆になっちゃってる。そんなの、おかしい。みんなで情報を共有する事は、抑止力になります。でも全部覚えていられないほどの量だったら?カンタンです。ビデオにすればいいんです。それで、「ほら、もってるよ。何度でもかけると、おなじことしゃべるよ。みんなで見ようよ。」って言うの。づぐ上映会、ほーら、カンタン。「みんなで知る」ことは、それほどむずかしくなくできるし、思っていたより「力になります」。

 
説明
1990年、諫早湾の干拓事業が始まると、それまでたくさんとれていたタイラギという貝は、ほとんど全滅してしまいました。97年、諫早湾が潮受け堤防で締め切られたら、赤潮が発生して、日本一広くて沢山の生き物が住んでいた諫早干潟が姿を消しました。 その原因を調べた日本自然保護協会は、それが「貧酸素水塊」という、酸素の足りない水の塊が発生していることであるとわかりました。世界で一番潮の満ち引きが激しい海の一つの諫早湾は、その激しい潮の動きのおかげで、海のそこまで酸素がいっぱい行き渡って、有明海はおいしい貝がいっぱい獲れるし、その貝を目当てに鳥や魚も来るという生態系になっていました。けれど堤防をふさいだら、潮のジャバジャバの満ちひきがうまくいかなくなった。貧酸素水塊が広がると魚が逃げて、貝は死んでしまう。 この有明諫早問題の現状を沢山の人に伝えたい、と日本自然保護協会から頼まれました。

 
効果
ドラマ「不機嫌なジーン」で諫早開拓がフィーチャーされたのも、一つの成果といえるかもしれません。